「ホビット 思いがけない冒険」を観てきました。思いがけないけどめっちゃ長い話になっちゃったねというような突っ込みはとりあえず置いといて、リーダーシップ論について考えさせられた作品です。
この話、 故郷を追われたドワーフ達を率いる王(以下、トーリン)が主役の一人なのですが、リーダーシップ論で度々触れられる点がしっかりと盛り込まれていると思います。以下、できるだけネタバレの無いように書いていますが、今後観る予定のある方はご注意ください。
真摯でありつづける事の意義:
Integrityという言葉でドラッカーといえばとりあえず引用される言葉ですが、トーリンの行動は非常に真摯さが表れていると思います。彼はときに部下の言動や行動を叱咤し、敵に対する激情を露わにしながら、あるときは自らの信念を語り、またあるときには自らの過ちや無礼を謝罪する。
真摯さとはいろいろな形で解釈をされますが、このように物事に対してまっすぐに向き合うことなのではないかと感じさせられるリーダーの姿でした。
経験から成長するリーダー像:
トーリンはこの時150歳(ドワーフの寿命:340歳くらい?)を超えているはずという声もありますが、どちらかというとまだまだフレッシュさの残る壮年というイメージです。味方に対する疑いの感情や、助けに来なかった多種族に対する恨みを飲みこみながら、本当の目的のために取捨選択を行っていく術を徐々に学んでいく行程が見てとれます。
松下幸之助もそうだと言われますが、修羅場をくぐりぬけるという経験が後天的にリーダーを育成するといういい例でしょう。
リーダーを支える部下の存在:
近年のリーダーシップ論で必ずと言っていいほど語られるのが、リーダーを支える者たちのフェローシップでしょう。トーリンにも老練な手練れが連れ添っていますが、実直で歯に衣着せぬ王の発言の後でしっかりフォローをいれていたりします。
非常に優秀なリーダーが転職後の職場ではイマイチその輝きが冴えないケースが散見されますが、優秀なリーダーの陰にはほぼ必ずと言っていいほど優秀なスタッフがついているものです。
と、長々とリーダーシップ論を語りましたが、映画も3時間近くにわたって飽きさせないなかなかの良作だと思います。ではまた。